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のんびり・また~り・まいぺーす: 自分のために日々の出来事をつらつら。日記の代わりに。 最近は美味い!しか言ってない気も(笑)
先週だったか、ニコニコ生放送で村上 隆氏、東 浩紀氏、岩渕貞哉氏の鼎談をやっていたんですが、これが中々に面白かった。

村上氏は、いまや日本の現代美術の代表の人。
日本国内ではなんやかんやで叩かれてます。あまりにも、独特なセンスが日本国内で受け容れられないのですが、まぁなんとなくわかります(笑)
あの問題作、ヒロポンやカウボーイで話題騒然でしたね。
ある意味、オタクが「このフィギュアは今までと違ってスゲェ!」と購入するように、
これは自分のものにしなきゃアカン!と思った現代美術のコレクターという構図でしょうかね。

東氏は、東大卒の作家であり、評論家。昨年放送したアニメ、フラクタルの原案者でもあります。以前ツイッターでフォローしていたんですが、素晴らしいつぶやきはあれど、どうでもいいつぶやきも多かったため、うざくなってフォロー解除しました(笑)
どうでもいいですね、すみません。
(またフォローしようか悩み中)

岩淵氏は美術手帖の編集長らしいのですが、詳しいことは知りません。
すみません。

で、この御三方の中でも、村上氏と東氏の議論が面白かったんですよ。
村上氏が、今の歪んだ世の中を作ってしまった世代(本人も含む)が、世の中を変えるために何ができるかに言及したところ、東氏はすっぱりとそんなことは考える気も無いと返してました。


村上氏は、3.11後人々の考え方が根本から変わり、今までの思考を変えていかなければならない。
どうすればいいですか?という視聴者の質問に対し、そんなことを聞いている時点で君達には何も無い。だからダメなんだ!
変わらなければいけないんだ!というスタンス。

それに対し、東氏はしっかりしろって言ったって誰にでもできるわけではない。
なので、僕は(人々に対し)何かをしろなんて言うつもりは無い。
村上氏の絵(芸術)は、何もできない人間(弱者)達を救うためにある。
芸術や思想とは、弱者の為にあるものである(と思う。)との回答。

制作者の考えと、消費者の考えは根本的に違う。
制作者は強くなければいけないが、消費者はその作品(絵でも文でも)で救われる。


なるほど~。
逆説的に言うと、芸術や思想は弱者がいるからこそ存在し得る、と言う事になるのでしょうか。
たしかに弱者(何を指すのかはともかく)がいなければ、芸術や思想は存在する必要も無いのでしょうね。

ちなみに、上記のように反論され、村上氏がヘコミ気味なのが可愛いwww


まぁ、村上さんのような芸術家(美術家)は、物を言わずして表現をするからこその芸術家であって、作品を観た者が、そこから何かしらを受け取れるような存在であって欲しいです。
村上さんが制作した五百羅漢図は、確かに壮観でした。
まぁ、映像越しでなんかスゲェって思えるぐらいだったので、目の前で実際に観たら鳥肌ものでしょう。
実際に観ることはできませんがね。カタールまでは行けませんから...。
ちなみに現代美術に限って言えば、なんとなく見聞きしましたが、そうそう簡単には理解できませんね~。
村上氏が、現代美術は鑑賞するための勉強をしないと理解できない、と言っていたことがよくわかりました。

ちなみに、アニメは映像も言葉(セリフ)もあるので、本当なら美術よりももっとストレートに心に突き刺さるような作品があって然るべきなんですが、ここのところそのような作品はあまり見受けられませんね...。
ただ単に、歳をとった事で経験値が増えたということもあるのかもしれませんが。
そこいらへんも考慮しながら最近のアニメを観るようにしているけれど、それだけじゃないなという感じもします。
見た目はそれなりに良いし、作画もがんばっているけれども、心に何も来ない作品が多い。
そんな作品ばかりじゃ息が詰まる~ってのもわかりますし、ギャグや、何気ない一日を描くだけの作品もあって良いと思います。
しかし、そんな作品がかなりの割合を占めるここ数年の状況は、やっぱり何かが違う...。

ところで全然関係ないんですけどね、先月全話数再放送していたFate/zeroの#11のライダー(イスカンダル)の演説シーン。あれは久しぶりに鳥肌が立ちましたわー。
あの演出と、大塚明夫氏の演技力には脱帽。
久々に画面に釘付けになりましたわい。

閑話休題w

ふっ、表現者は物を言わずにって言ったのに、また愚痴ってる。
でも私は表現者ではなく、表現のお手伝いをする技術者だからいいよねw
商業アニメのスタッフは、そういうものなので仕方ないじゃないですか。
監督になるか脚本家(原作者)にならないと、本当の意味での表現者にはなりえないかもしれません。
まぁ、原画、動画、色彩設計、背景などは表現者になりえますが、あくまでも作品の本質を変えてしまうような表現はできませんからね。
って、どうでもいいですね(笑)


そして、その鼎談の中で気になった言葉。
村上氏の「非人」と言う言葉。
芸術家である以上、非人(人にあらず)でなければならないというスタンス。
これは、いつも弟子に伝えているとの話。

これは、考えさせられる言葉。
自分も一応は表現する側にいるわけですから、表現をするということは『普通の人』では意味が無いのではないか?ということ。
表現すると言うことは、自分の心の中の想いを表に現すこと。
いわゆる普通(一般的な考え方?)の人が普通の想いを表現したって、面白くもないし、心に何も来ない。
本当の意味での非人は、はっきりと言うとマズイので言わないですが、昔の芸術家や音楽家はそうでしたね。
今でも表現者は少なからずともそうなのかもしれませんが、昔のような奇人変人(言ってるじゃんw)が後世に残る表現者になるのは当然と言えば当然なのです。

まぁ、この駄文では何を言いたいのかよくわからないと思いますので、気になった方はこちらを見ていただければと。


答えが出るわけでも無いし、人によっては全く面白くないかもしれませんが、個人的には村上隆という人物と、東浩紀という人物がよくわかり、面白かったなって感じでした。
議論するということは楽しいなっと。
つか、久々に長文失礼いたしました。

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» 無題
村上隆氏の名前が挙がっていたのでちょっと割り込ませて頂きますね(何

自分の所でも、村上氏の作品については時折話題に上がって議論される時がありますが、周りのほとんどの意見は村上氏の作品は受け入れ難いと思っているようです。まあかくゆう自分も正直の所、彼の作品はあまり好みだとは言い難いです(苦笑
約100年程度の歴史で、今でも好き嫌いの差が激しい「サブカルチャー」と、数千年以上の歴史を持ち、観る人を選ばない「芸術」を混ぜ合わせるのは「芸術というジャンルなのに、観る人を選んでいる」という感じがしますし、このような観る人を選ぶような芸術を、果たして芸術と呼んでいいのだろうか?という風に思います。
(この固定概念を壊してこそ現代美術だという考え方もありますが…)

ただ、現役美術評論家の先生は彼の作品に対して好感的で、「まさに21世紀の現代美術を代表する美術家」だという感じで賞賛されていました。
昔ベルサイユ宮殿で、景観を壊すような場違いな作品が展示され、国内外から賛否両論になったという話は有名ですが、この件についても「彼の破天荒な挑戦はすごい」という風に褒めていました。
考えてみれば、一現代作家が世界遺産にも登録されているような施設に作品展示を申し込むなんて、よほどの度胸と現代美術の挑戦が無いと出来る代物では無いでしょうね(汗
ミュータウ忠吉 URL 2012/02/27(Mon)16:53:25 編集
» ミュータウ忠吉さんへ
実際のところ、私も村上隆氏の作品が好きかと言えば、それほどでも無いです(笑)
ちなみに、TOKYO-MXのゆめライオンは嫌いじゃないです。

アニメファンの目線で言うと、巨大フィギュアやプリキュアもどきのアニメなど、日本アニメのパクリじゃんという気持ちも凄くよくわかるし、私もそう思ってました。
特にカウボーイとヒロポンに関しては、今でもあれはちょっとダメだろうと思ってます。
あのフィギュアはどうみても日本のアニメ(っぽい)キャラを題材にしているし、世界的にああいったものが日本のアニメだと勘違いされるのが非常に怖いですしね。
代表作のDOBくんは、現代美術のルールで行くとアリみたいですが、その背景を聞いてもイマイチ、ピンと来ないですし。

それをわかった上で(村上氏の芸術というものが素晴らしいかはともかく)、チャレンジするということに対して見守っていきたいというスタンスです。
現代美術のルールとか、観る側も勉強しないとならない芸術が果たして芸術なのか?という疑問もわからないでは無いです。
アンディーウォーホルとか、デュシャンとか、まぁ…観ただけでは何を表現しているのかわからないですね...。
今のところは金持ちの道楽的な意味合いも強いですし。

しかし、個人的にはそういうものも個性だと思ってます。
というか、今まで誰もやらなかったことにチャレンジする、それもまさしく個性でしょう。
そして、世界的には(現代美術の中では?)認められているということも確かです。

ちなみに、村上氏はアニメも芸術だと言ってますが、自分もどちらかというとそのスタンスです。
表現するということは、まさしく芸術ではないでしょうか。
芸術とアニメを一緒にするなと言われそうですが、裸婦絵などは現在で言うところのエロイラストだったわけですよね。
まぁ、写実絵が素晴らしいか、創造キャラが素晴らしいかは、ただの好みですし、時代の変化と言ってしまえば、それまでだと思いますが。

結局のところ、今後(と言っても数十年後か数千年後かわかりませんが)どのように評価されていくのかわかりませんし、よほど人間社会をはみ出さない限りは見守っていくのもありかなと思っている次第です。
まぁ、社会不適合者の烙印を押された人のほうが、芸術家として大成しているのですが、これはまた別の話。
美術、芸術って、当たり前ですが正解は無いですね。本当に好みの問題かなと。
ああ、ちなみに本格的に美術の勉強をしているわけではないので、あくまでも個人的意見なことは断わっておきます~。

長文失礼しました。
2012/02/29 18:38
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記事の内容は、必ずしもその日の行動とは限りません(笑)
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